Group IV

機能的なグラフェン光デバイスの作製・評価

Group Ⅳでは,今話題のグラフェンを用いて,機能的な光デバイスの作製・評価を行っており,最終的には,光通信用の電子・光融合回路の実現を目指しています。グラフェンを用いた電子デバイスは,すでに多く研究が行われておりますが,光分野ではまだ研究が始まったばかりです。私達はグラフェン光デバイスという,最先端の研究を行っています。ここでは,グラフェンについて簡単に述べ,現在研究中のグラフェン光デバイスについて紹介します。

グラフェンとは?

グラフェンの始まりは2010年。Geim氏とNovoselov氏が,グラファイトから単層グラフェンを剥離することに成功し,ノーベル賞を受賞しました。グラフェンは炭素原子で構成された2次元材料であり,1原子層の厚さしか持ちません。また,ユニークなバンド構造を持っており,高電子移動度・高光吸収・過飽和吸収・特異な光伝搬モードなどの様々な優れた性質を持っています。
2010年以来,グラフェンは非常に注目され,さかんに研究が行われています。今,最もホットな研究内容の1つです!

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グラフェン on Siリング共振器を用いたDNAセンサー

表面の屈折率変化による共振波長のシフトを用いたSiリング共振器型バイオセンサーと,DNAと結合する性質を持つグラフェンを組み合わせることにより,高感度かつラベルフリーなDNAセンサーの実現が期待できます。デバイスを上から見た概要図は下図のようになっており,Siリング共振器にグラフェンを転写したものとなっています。デバイス上にDNAを流すと,グラフェンがDNAと結合し,表面の屈折率が変わるため,共振波長がシフトします。このシフトにより,DNAをセンシングすることができます。

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グラフェン偏光子

グラフェンは,フェルミ準位によって,光の伝搬モードが変化することが最近報告されています。その性質を利用し,Si導波路上にグラフェン偏光子を作製することを目標としています。下図の左にしめしているのは,実際に作製したデバイスです。Si導波路上にグラフェンが転写されています。このデバイスを用いて,私達はSi導波路上のグラフェンの光吸収特性の測定に成功しました。今後は,グラフェンに電圧を印加することで,フェルミ準位を制御し,透過モードを変化できるようなデバイスを作製しようと考えています。

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所属メンバー